トウシューズについて
バレエを習うならやはりトウシューズを履きたい!そう願うのは当然のこと。
そして、親御さんもお子さんがトウシューズをもらえる日を
いっしょに心待ちにしているのではないでしょうか?
ピンクのサテンでできた美しい靴を手にする日を…。
トウシューズはそのように美しく、皆が憧れるのですが、
実際のところは履くと「痛くてつらい靴」です。
履いて初めてそのつらさを実感します。
ほとんどの生徒が
「欲しくて欲しくてたまらなかったけど、
履いてみてこんなにつらいとは思わなかった」と言います。
なにしろ約5センチ四方の小さなスペースに自分の体重がかかるのです。
子ども(12歳前後)でも30数キロ、大人なら45〜50キロ。
背の高い人ならもう少し重いかもしれないですね。
その重みを足の指で支えなくてはなりません。
足の指の1本1本はとても小さい。それを思うとそうとうな訓練を積まなければ、
そうした靴をはきこなせないこと、想像がつくのではないでしょうか?
欧米の一流バレエ学校では、ポアント(トウシューズ)は骨の成長期を考慮し、
十分に筋肉づくりができた12歳からという考え方をしており、
当スタジオでもこの考え方に賛同しています。
ポアントワーク(トウシューズをはいて行うレッスン)は
生徒さん個々の体の準備が整って初めて取り組むことができます。
体の準備が整うには、年齢(ある程度体が大きくなると骨格が安定してくる)、
レッスン歴、レッスン回数がものをいいます。
後は、個人個人の身体条件(骨格や筋肉)も関係してきます。
足首の関節の動きが無いとトウで立つことは難しいです。
また、極端に弱い足の持ち主も苦労します。
体全体の筋力の弱いタイプの人もトウの上で上体を支え続けることができないので、やはり苦労します。
弱い人は鍛えなくてはなりません。
固い人は柔らかくしなくてはなりません。
こうした状態に至らない生徒にトウシューズでのレッスンをしてゆくと、
足のトラブルに見舞われることがあるのです。
「外反母趾」「反張足」などがその例です。
そうしたトラブルは踊る楽しさを味わうことなしに、
バレエをあきらめるという悲しい結果に陥ることもあり、
そのようなことはできるだけ避けたいと考えます。
だからこそ、ポアントの許可は
様々な条件をクリアして初めて与えることができるのです。
こうしたことをバレエとトウシューズに憧れている皆さん、
そして親御さんには知っておいていただきたいと思います。
「1日も早く」と思う気持ちはわかりますが、
そのことよりも足のトラブルを回避することの方が最も大切です。
なぜなら、足のトラブルは加齢により深刻化する傾向がありますし、
身体とのつきあいはもしもバレエをやめたとしても無くならないからです。
健康を損なわずに一歩一歩上達していくプロセスを大切にしてバレエを学んでいきましょうね!!
学会の許可を得て、こちらへ添付しました。ご参考にしてください。