怪我…あなどるなかれ
自分の体験談で恐縮ですが、怪我に関してのお話しです。
中学生の頃でした。
体育の時間に平均台から降りそこね、右の足首を思いっきり捻挫してしまいました。
数日歩くのも痛かったのですが、そんなにおおごとにはとらえず、
徐々に痛みを感じることもなくな り、それで治ったと思っていたのです。
ところがバレエのレッスンでその捻挫をした右足はなにもなかった左足に比べ、踏ん張りがきかないのです。
でも、それすらも利き足とそうではない足との違い程度にとらえ、
あまり気にしないでレッスンに取り組んでおりました。
もちろん、右足の弱さに関しては若干不都合があったのですが、
かといってすごく大きな問題には感じていなかったからです。
それが自分にとって不利だとわかった出来事が あります。
パ・ド・ドゥのクラスの時です。
右足を軸にし、アラベスク・パンシェ(片足で立ち、後ろに脚をあげたポーズ)の稽古をしていたとき、
自分の意志とは全く関係無しにポアントから落っこちたのです。
それは自分にとって大きな驚きと疑問でした。
自分の筋力や体の引き上げが不十分でポアントから落っこちてしまうことはよくありましたが(^^;)、
そうではなく落っこちたということは、なにか自分の知らない部分での不都合があるということですから…。
バレエの世界にどっぷりとつかった生活を始め、
ちゃんと体のメンテナンスをしなくてはマズイと思うようになり、定期的に整体院に通い始めました。
そこの先生 が私の右足をチェックしたときにこういいました。
「昔、大きな捻挫をしたね。しかもちゃんと治さなかったね。
靱帯が伸びてるから、反対の 足より足首の関節の動きが大きいよ。こっちの足は左にくらべて弱いでしょう?」
「え!?」その瞬間、私のこれまでの疑問がふっとびまし た。
あの時の捻挫がそんなことになっていたなんて…。
踏ん張りがきかないのも、ポアントから落っこちるのも、それが原因だったなんて…。
もちろん、そんな状況からでも、その周囲の筋肉を強化することで補うことができますから、
悲観することはないのです。でも、やっぱり損は損。
こうしたことから、うちの生徒さんには怪我をあなどらないよう、きちんと治すようにとアドバイスしています。
整体院の先生も怪我の放置は運動をする人にとっ て、
しかもハイレベルを目指す人にとっては命取りになることを言ってらっしゃいます。
バレエを志す人とその親御さんにはこうしたことを 知っておいていただき、
怪我を軽視しないよう、くれぐれも留意してくださいね。