クラス進級とトウシューズの関係
進級…それは嬉しい響きです。
新しい段階への進歩です。
次は何が待っているのだろうかとワクワクドキドキ。
また ちょっぴりの不安もあるでしょう。
クラシックバレエでは12歳を目安にトゥシューズを履くという目標もあります。
進級はトウシューズに一歩近づくというこ とでもあるのです。
教える側としては、やはり12歳を目安にトウシューズに挑戦してもらいたいと考えます。
というのは、トウシューズをそ れよりも早く履くことは非常にマズイけれど(レッスン>トウシューズ参照)、
かといって遅ければいいというものではないからです。
体が成長し、大きくなれば、当然のように背 が高くなります。
そうすると、トウシューズを履いて10数センチ高くなることに恐怖感を覚えるようになるのです。
小さな頃には高いところへ平気で登れたの に、大きくなってからでは怖くて登れなくなってしまう…。
そういう体験、大人になった方なら1度や2度ありませんか?その感覚です。
小さな 子どもには恐怖心がないので、その観点からは多分トウシューズは問題ない。
けれど、骨格が不安定だから危険。
反面、大きくなってからだと、骨格は安定する 。
でも高さに対する恐怖心が出てきてしまう…。
恐怖心が大きくなると、
トウシューズでのピルエット(片足で立って回転するステップ)は怖くてなかなか身に付きません。
その微妙な狭間が12歳前後なのです。
そうしたことから当スタジオでは12歳前後で履けるようにと指導しているのです。
いかんせん、その12歳前後でトウシューズを履くことのできる体の状態になるには
10歳を過ぎるころから週3回のレッスンを受けて、やっとなんとかなるか なぁ…という感じです。
(それでも履くことができない人もいるくらいです。)
しかし、その週3回というのが、なかなか難しいようです。
というのは、「習い事は週1回で十分」といった考え方が一般の方々の認識のようで、
レッスン回数が増えることにほとんどのお家の方が躊躇なさいます。
かつては進級=レッスン回数が増えるというのは「当然のお約束」で、
むしろ、たくさんレッスンに来ていいという許可をもらえることになるので、楽しみなことでした。
最近ではそうではなくなっているのですね。
週3回というと「バレリーナになるわけじゃない」
「ただの習い事なのにそんなにやらせるつもりはない」というお考えもあるからです。
週3回に躊躇があるのは、まぁ、わかります。
お子さんには兄妹がいらっしゃるでしょうし、お母様はその子ども達の面倒をみなければなりません。
週3回レッスンへの送り迎えをする場合、それは大きな負担でしょう。
また、レッスンは回数が増えれば、 その分月謝が高くなります。
それも家計を圧迫することになるでしょう。
そして、確かに誰もがバレリーナになるわけではない。
(ホントは「誰でもなれるワケ ではない」が正しいのですが…)
けれどトウシューズはみんなが憧れていて絶対履きたいと思っている…。
さぁ、どうしましょう?
私はバレエを教える立場ですので、
生徒さんみんなにトウシューズを履いて踊ることが
できるようになって欲しいと思って指導しています。
そしてできるだけ、その過程でのリスク(無理することで起きる怪我)を回避したい。
そう思って各クラスにおけるレッスン回数を設定してあるんです。
生徒のみんなが健やかに美 しくバレエを習得していってもらいたいのです。
父兄の皆さま、あなたのお子さんがトウシューズを履いて踊ることを夢見ているのだとしたら、
そこに深い深いご理解をお願いしたいと思います。
トウシューズを履くということはとても大変なことなのだということを。
そのためには沢山の時間と努力 が必要なのだということを。
たとえバレリーナになるつもりはないとしても、目的のために一生懸命打ち込む姿勢が身に付くのです。
それは大きな宝物 になるに違いないのですから。