レッスンへの遅刻
バレエ界の暗黙のルールっていうとなんだかドドーンと重く聞こえますが、これはある意味そう言えますね。
「レッスンへの遅刻は厳禁。」こうした表現をしても大げさではないくらい。
でも、これには理由があるんです。
● 体の保護
バレエのクラスはゆっくりで小さな動きからスタートし、徐々に大きく、素早い動きへと変化します。
そうしたことからクラスに遅れてくるということは、体は冷えているわけですから、
クラスが進んだ状態に合流し、大きな動きを「エイヤッ」とやってしまうと、体がびっくりしてしまいます。
ヘタをすると筋違いなどの 怪我を起こしかねません。それはやはり避けたい。まずは怪我防止のため。
また、コンディションをいかに良い状態に作り、保っていく。
そのことがとても大切ですね。ダンサーにとってはバーレッスンは体のチューンナップ。
音楽にたとえれば、オーケストラのチューニング。
一般的にプロダンサーは 稽古場にとても早く入ります。
プロが集まるオープンクラスでは遅刻者はまずいません。
30分前にはレオタードに着替えてスタジオへ入ります。
そしてその日のレッスンを自分のベストの状態で受けることができるように、
入念にストレッチなどのウォーミングアップをします。
そうしてからのレッスンは体がとても楽で気持ちよく大きく動いてくれます。
これはお勧めです!
● けじめ
やはりコレですね。大切なことですよね。
当然のことバレエではステージへ出演します。
これはお客様に時間を約束してお出でいただいている。
その時間を守らないっていうのは、やはり失礼ですよね。
「ひとりくらいなら平気。」
そんなことをみんなが思っていたら、約束事は成り立ちません。
また、遅刻者がクラスに入ってくるときに、一度クラスの流れが止まります。
大人はまだしも、子どもの場合、一度クラスの流れが止まると、元の状態に戻すのにとても時間がかかります。
子どものクラスは小一時間しかありませんから、その中でできるだけのことをしたい。
バレエ教師はそう思って取り組んでいますので、そこに時間をとられることは非常にもったいない。
そうしたことをふまえているからこそ、バレエ教師は遅刻について厳しいんです。
まぁ、生徒さんが小さな頃は親御さんの協力無くしては成り立ちませんから、
そうすると時間への厳しさの矛先はそちら向きにならざるを得ませんね。
そのあたりはよろしくお願いいたしますと頭(こうべ)を垂れる思いです。m(_ _)m
私見ですが、時間を守るということはつまるところ「自分との約束を果たす」ということと思っています。
自分が約束して自分で決めたことを自分で行動する。
たまにはその通りにいかないことはあるから、厳密すぎても自分が苦しくなってしまいます。
だから、さじ加減ってことはもちろんあります。
けれど、自分で決めたことがちゃんとできた時って単純に気持ちいい。(*^_^*)
その気持ちよさを味わいたくて、私はレッスン時刻(教師としての立場、生徒としての立場の両面で)を
守りたいなぁと思っているのです。
また、こうしたことへの意識はバレエのみならず、社会に出た上で大変役に立つことでもあると思います。
そうしたマナー教育を学ぶことも良いダンサーのみならず、社会人を育む上でとても良いことと思っています。