子供の表現 〜ありのままの輝き〜
ダンスを通してありのままの自分を表現するために大事なことは3つあります。
それは「基礎(体づくり)」 「テクニック(技法やステップ)」「ハート」です。
これらは密接に絡んでいて、どれが優先ということはありません。
それぞれにお互い支え合って成り立って います。
その3つのバランスがとても大切。特に子供の場合は、心も体もぐんぐんと成長し、変化します。
エネルギーはすごくあるから、多少のことでは怪我はしません。
大人が子供と同じペースで取り組むと疲労が取れなかったりとかします。
子供の持つ生命力というのでしょうか。子供のパワーは本当にすごいです。
とはいうものの、さすがに無理が続くと成長痛と呼ばれるものが起きたりします。
成長痛は「今の段階ではこのレッスン内容 は無理があるよ。
ペースダウンしてちょうだい。」という体のメッセージなんですね。
だから、ちゃんと成長に合わせた指導が本当に大切なんです。
たとえば、発表会などではその子供の成長過程に合わせた作品を準備します。
指導者が気を付けることは、
「これまでに身に付いた基礎(体づくり)を土台にすること」
「テクニックはこれまで学んできたものから少し飛躍したものであること」
この「少しの飛躍」ってところがポイントです。
飛躍が無いと、簡単すぎてつまらない。
かといって、難しすぎると楽しい気持ちよりも、
なにやらお仕事をこなすような感じで踊ることになってしまいます。
それもつまらない。
だから、達成感を感じることができる程度の作品であることが大事なんです。
そうすれば、ワクワク、ウキウキとして取り組むことがで きます。
これは3つの要素のうちの「ハート」のこととつながっていますね。
子供が生き生きと心から楽しさを感じながら踊れて、けれど、体の成長のことをちゃあんと気を付けてある。
そんな作品が理想なんです。
3つの要素を満たした理想の作品。
でも、生徒は生きていますし、日々成長していますから、様々な要素もそれによって変動します。
それを意識し、バランス調整をしながら、作品を創りだすのです。
子供はありのままでピカピカの存在。
その輝きを閉じこめないようにしてあげながら、
さらにその先へと発展できるようにお手伝いすることがダンス教師の役割と思います。